最近のエアコン市場では、便利な「お掃除機能付きエアコン」が人気を集めています。しかし、この種のエアコンを購入する前に、よく理解しておくべきデメリットも存在します。本記事では、お掃除機能付きエアコンの基本仕組みから、潜在的な問題点、メンテナンスの方法に至るまで幅広く解説します。特に故障リスクや維持コストに焦点を当て、賢いエアコン選びをサポートします。購入の際の参考にしていただき、後悔のない選択をしていただければ幸いです。
エアコンの「お掃除機能」とは？
まず、エアコンのお掃除機能がどのように動作するのかを詳しく説明し、これが内部クリーン機能とどう異なるのかを見ていきます。
お掃除機能付きエアコンの仕組み
お掃除機能付きエアコンは、使用後に自動でフィルターをきれいにしてくれる便利な機能を備えています。このシステムは主に、フィルターについたホコリや汚れをブラシでこすり取るか、強い吸引力で吸い取ります。多くの場合、エアコンが止まると自動的にこの清掃が始まり、フィルターの汚れを定期的に除去してくれます。
この自動清掃機能により、エアコンの冷却や暖房効率が良くなり、エネルギー消費を抑えることができます。また、フィルターが長持ちするため、メンテナンスコストも節約できます。ただし、この機能があるエアコンは部品が複雑で、故障しやすい点も考慮する必要があります。そのため、お掃除機能のメリットを理解し、購入前にはこれらの点をしっかりと考慮することが大切です。
内部クリーン機能との違いは？
内部クリーン機能は、エアコンが稼働を停止した後に内部を熱風で乾燥させることで、カビや細菌の繁殖を防ぐ機能です。これとは対照的に、お掃除機能は物理的にフィルターの汚れを除去することに特化しています。このふたつの機能は異なるアプローチを取りながらも、エアコンを清潔に保ち、効率的な運転を維持するという点で共通しています。
お掃除機能付きエアコンの見分け方
お掃除機能付きエアコンを見分ける方法はいくつかありますが、特に以下の三つのポイントが重要です。これらのチェックポイントを理解しておくことで、購入時にお掃除機能付きのモデルを見分けることができます。
エアコン本体に奥行き・厚みがある
お掃除機能付きエアコンは、その機能を内蔵するために一般のエアコンよりも本体が厚みを持っていることが多いです。このため、比較的大きめで重量がある傾向があります。店頭やオンラインでエアコンを見るときは、その寸法をチェックして、他のモデルと比べて明らかに厚みがあるかどうかを確認しましょう。外見だけでなく、商品の仕様を詳しく調べることが、この機能の有無を見分ける鍵となります。
リモコンに「フィルターおそうじ」などのボタンがある
お掃除機能付きエアコンのリモコンには、通常「フィルターおそうじ」や「クリーン」といったボタンが設けられています。このボタンはエアコンが自動でフィルターを清掃するためのものであり、このボタンの有無をチェックすることで簡単にお掃除機能の有無を判別できます。また、リモコンのその他の機能も合わせてすれば、エアコンの他の機能についても理解を深めることができます。
エアコン内部にダストボックスがある
お掃除機能が搭載されているエアコンは、使用中に取り除いたホコリを一時的に貯めておくダストボックスが内蔵されているのが一般的です。購入前や設置時にエアコンの内部を見る機会があれば、このダストボックスの存在を確認することをお勧めします。ダストボックスは通常、エアコンの前面パネルを開けることで見ることができ、その大きさや形状はモデルによって異なります。この部分の清掃方法やアクセスの容易さも、購入前にチェックしておくべき重要なポイントです。
お掃除機能付きエアコンを買ってはいけない８つの理由
便利に見えるお掃除機能ですが、購入を避けるべき理由がいくつかあります。これらの理由は主にメンテナンスの難しさ、コストの高さ、そして潜在的な故障リスクに関連しています。
ホコリやカビが発生しやすい
お掃除機能付きエアコンは、内部の複雑な機構が湿気を捕らえやすいため、ホコリやカビが発生しやすくなります。これはアレルギー反応の原因となることもあり、特に敏感な方には推奨できません。定期的な清掃とメンテナンスが不可欠ですが、これには相当の手間とコストがかかります。
フィルターの取り外しが難しい
お掃除機能付きのモデルでは、フィルターの取り外しや交換が一般的なエアコンよりも難しいです。これは自動で清掃する機能がフィルターの設計に影響しているためで、自分でフィルターを掃除する際には特に注意が必要です。取り扱いを間違えば、機械の故障を招くリスクもあります。
ダストボックスに溜まったホコリを除去する手間がかかる
お掃除機能付きエアコンの便利さの一つに、使用中にフィルターから取り除かれたホコリをダストボックスに一時的に蓄積することがあります。しかし、このダストボックスのメンテナンスは意外と手間がかかります。ダストボックスは定期的に空にする必要があり、この作業を怠るとホコリが溜まり続け、最終的にはエアコンの性能低下を招くことになります。
ダストボックスの掃除は、エアコンの使用頻度にもよりますが、一般的に月に一度以上の頻度で行うのが望ましいとされています。特に、ペットを飼っている家庭やホコリの多い環境では、より頻繁な清掃が必要になることがあります。
自分で内部洗浄するのが難しい
お掃除機能付きエアコンは内部が複雑で、洗浄を行う際には高い技術が求められます。不適切な方法で洗浄を行うと、部品を損傷する恐れがあり、その修理には高額な費用が発生することもあります。このため、専門の業者にエアコンクリーニングを依頼せざるを得ない状況にもなりがちです。
普通のエアコンより値段が高い
お掃除機能付きエアコンは、その便利な機能により通常のエアコンに比べて価格が高く設定されています。この初期投資の高さは、特に予算が限られている方にとって大きな負担になる可能性があります。また、その価格差が長期的にどれだけの節約につながるかを考えると、必ずしもコストパフォーマンスが良いわけではないでしょう。高価な機種を選ぶことで維持管理にかかる費用も増えるため、購入前には慎重に検討することが求められます。
エアコンクリーニングの料金が通常より高めに設定されている
お掃除機能付きエアコンは、その特殊な構造と清掃の難易度から、標準的なエアコンよりもクリーニング費用が高くなりがちです。専門の技術が必要なため、プロのクリーニングサービスを利用する際には通常よりも多くの費用がかかることが一般的です。この追加費用は、長期間にわたって家計に影響を与える可能性があり、そのため、購入を検討する際にはトータルコストを考慮することが重要です。
お掃除機能付きエアコンに対応していないクリーニング業者がいる
すべてのエアコンクリーニング業者がお掃除機能付きエアコンのメンテナンスに対応しているわけではありません。特定のモデルやブランドに特化したサービスを提供している業者もあれば、逆にお掃除機能付きエアコンや特定のモデルには対応していない業者もいます。そのため業者を選ぶ際の選択肢が限られるだけでなく、サービスを受けるために追加の時間や労力を要することがあります。適切な業者を見つけるためには事前のリサーチが必要であり、この点がお掃除機能付きエアコンの維持管理を複雑にしています。
故障しやすい
お掃除機能付きエアコンは、その複雑な内部機構が原因で、故障のリスクが一般のエアコンよりも高くなります。特に自動清掃システムが故障すると、その修理や交換には専門的な知識と高額な費用が必要となります。このことは長期的に見ても高額な維持費がかかる原因となるため、お掃除機能付きエアコンを選ぶ際の大きなデメリットと言えます。
お掃除機能付きエアコンにはもちろん良い面も！
お掃除機能付きエアコンのデメリットに焦点を当ててきましたが、もちろん良い面もあります。以下に購入を検討する価値がある２つの点を挙げます。
自分でフィルター掃除をする手間が省ける
お掃除機能があればエアコンのフィルターを定期的に自分で掃除する必要がなくなるため、特に忙しい人にとってありがたい機能です。エアコンのメンテナンスを気にすることなく、いつもエアコンからの風を清潔に維持することができます。
電気代の節約になる
フィルターが常に清潔に保たれることでエアコンのエネルギー効率が向上します。これにより必要以上の電力を消費することなく、効果的に室内を冷暖房することが可能になります。特に暑い夏や寒い冬の期間にエアコンを頻繁に使用する家庭では、この節電効果は大きなメリットと言えるでしょう。
お掃除機能付きエアコンのメンテナンス方法
お掃除機能付きエアコンを長持ちさせるための適切なメンテナンス方法を紹介します。
自分で内部洗浄するのはリスクが伴う
お掃除機能付きエアコンの内部構造は複雑であり、自分で内部洗浄を試みると機械を損傷するリスクが伴います。不適切な洗浄方法は部品を破損させることがあり、修理には専門の技術者を必要とし、高額な費用がかかることが多いです。そのため、内部洗浄は専門の業者に依頼するのが最も安全かつ効果的です。
定期的にダストボックスやフィルターの掃除を行う
お掃除機能付きであっても、ダストボックスやフィルターはユーザー自身で定期的に清掃する必要があります。これを怠るとエアコンの性能が低下し、最終的にはエネルギー効率が悪化します。ダストボックスは特に、ホコリが積もりやすい部分なので、こまめに掃除することが求められます。
１〜２年に一度はプロにエアコンクリーニングを依頼する
専門業者によるエアコンクリーニングを定期的に行うことは、お掃除機能付きエアコンの性能を長期間維持する上で非常に重要です。専門の技術者はエアコンの各部を丁寧に点検し、高度な技術で内部を徹底的にクリーニングすることができます。こうしたサービスを利用することで、エアコンの寿命を延ばし、本来の性能を発揮させることが可能になります。
お掃除エアコンを買ってはいけない理由とは？ 故障のリスクやメンテナンスのコストなどデメリットを解説のまとめ
この記事では、お掃除機能付きエアコンが持つ利点とともに、購入時に考慮すべき多くのデメリットを明らかにしてきました。購入を検討する際はこれらの情報をバランス良く考慮し、自分の生活スタイルや予算に合った適切な選択をすることが重要です。最終的には、お掃除機能の便利さとメンテナンスの手間を天秤にかけ、長期的な視点で判断することが求められます。
